タバコによる害

タバコはさまざまな病気の原因に消化性潰瘍

消化性潰瘍 ― タバコを吸っていると潰瘍が治りにくくなります

消化性潰瘍とは、胃潰瘍、十二指腸潰瘍のことであり、胃の粘膜が傷ついて、その一部がなくなった状態です。胃痛や胸やけなどの症状があらわれますが、悪化すると胃や十二指腸に穴があいたり、吐血や下血を起こすことがあります。

タバコは、胃の粘膜の血流を低下させ、粘膜の防御力を低下させることから、消化性潰瘍の発症に関与していると考えられています。事実、タバコを吸う人は、胃潰瘍のリスクが3.4倍高くなるとの報告があります。また、胃潰瘍は再発しやすい病気といわれていますが、治ってからもタバコを吸い続けていると、半数の人が再発しているとの報告もあります。

Kato, I et al.: Am J Epidemiol 135(5):521, 1992

喫煙者の胃潰瘍のリスク(海外データ)

非喫煙者に比べ胃潰瘍の発症リスク3.4倍!! もし胃潰瘍になっても禁煙をしない場合約半数が再発 ただし、胃潰瘍になった場合でも、その後禁煙をすると… 再発率は16%まで低下 *2
対象:
1900-1919年の間に日本で生まれたハワイ在住の7,624例
方法:
環境因子が胃潰瘍及び十二指腸潰瘍発症に及ぼす影響を前向きに調査した。
Ikuko Kato, I et al.: Am J Epidemiol 135(5):521, 1992

消化性潰瘍による死亡リスク(男性)

吸い続けることでリスクに大きな差が!!
対象:
40-79歳の日本人296,836例
方法:
全死因死亡と喫煙に関連する死亡の人口寄与割合を推定するため、1980年代から1990年代前半にベースライン調査をし、平均追跡調査期間9.6年を経た3つの大規模コホート研究をプール解析した。
Katanoda, K et al.: J Epidemiol 18 (6): 251, 2008