タバコによる害

タバコはさまざまな病気の原因に女性特有の問題

女性特有の問題 ― タバコと妊娠・出産

妊娠したらタバコを吸ってはいけないことは、いまや誰もが認識していることです。タバコが妊娠に及ぼす悪影響には、赤ちゃんの低体重、流産・早産、子宮外妊娠などがあります。生まれたばかりの赤ちゃんの尿や髪の毛、羊水を調べてみると、ニコチンの代謝物が見つかっています。このことから、赤ちゃんは子宮にいるときからタバコの煙の成分の影響を受けていると考えられます。赤ちゃんの低体重や乳幼児突然死症候群(SIDS)などは、タバコと密接な関係があるといわれています。また、タバコを吸っている女性は妊娠しにくいという報告もあります。

妊娠中は禁煙していても、出産後にまた吸い始める女性がいます。しかし、母乳にニコチンが移行するため、母乳を飲んだ赤ちゃんも当然ニコチンを摂取していることになります。安全な妊娠・出産、そして子どもの将来のために、タバコをやめることを真剣に考えましょう。

Augood, C. et al.:Hum Reprod 13(6):1532, 1998
禁煙学(改訂3版). 日本禁煙学会編. P58-59, 2014

喫煙が妊娠・出産に及ぼすと報告されている影響

タバコを吸っていると妊娠しにくい'喫煙する妊婦さんでは、赤ちゃんの低体重や早産などのリスクが高まる
Augood, C. et al.:Hum Reprod 13(6):1532, 1998
9学会合同研究班編:禁煙ガイドライン Circ J 69(Suppl IV):1052, 2005