タバコがやめられない理由

なぜ、タバコをやめられないの?

現在、タバコを吸っている人のうち、およそ3人に1人が「タバコをやめたい」と思っています1)。ところが、タバコを吸う人の割合は、ここ数年なかなか減りません1)。タバコをやめたいとは思っていても、やめられる人が少ないからではないでしょうか。外国の調査でも、禁煙に挑戦して6ヶ月以上続いた人は、わずか1割ほどです2)

禁煙を続けるのは、あなたが思っている以上に難しいのです。「今度こそ絶対にタバコをやめる!」と決意しながら、なぜついまた吸ってしまうのでしょうか?自分の意志が弱いからでしょうか?いいえ、実はニコチンのもつ依存性が原因なのです。

どのようにしてニコチン依存症になるのでしょうか。

1) 厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室:平成30年国民健康・栄養調査結果の概要 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/h30-houkoku_00001.html 2022/7/6参照

2) 2009年に禁煙を始めており、2010年に行った調査の前の少なくとも6ヶ月間は喫煙していない人。対象・方法:27,157人を対象とした2010年の米国健康面接調査より18歳以上の喫煙者の禁煙状況について分析した。

Centers for Disease Control and Prevention : MMWR Morb Mortal Wkly Rep 60(44) : 1513, 2011 [L20120827022]

ニコチンには強い依存性があります!

ニコチンは依存性の強い物質です。私たちの周りには、お酒やコーヒーなどの嗜好品があり、それぞれアルコール、カフェインといった依存性物質が含まれています。一方、タバコに含まれるのはニコチンですが、ニコチンを摂取した場合に依存症になってしまう割合は、これらの物質のみならず、違法物質であるヘロインやコカインよりも高いとされています。
タバコをやめたくてもやめられないのはニコチン依存症の症状かも知れません。

Royal College of Physicians: “4. Is Nicotinea drug of addiction?” Nicotine Addiction in Britain. A Report of the Tobacco Advisory Group of The Royal College of Physicians. Royal College of Physicians of London: 83, 2000

ニコチン依存症とは?

今禁煙を始めても決して遅くはありません!

「禁煙」が頭をよぎったにもかかわらず、「今さら禁煙しても間に合わない」とあきらめている人はいませんか?確かに若いときに禁煙を始めたほうが、余命を延ばすチャンスは高くなります。しかし、たとえ50歳であっても6歳、60歳でも3歳は余命が延びる可能性があるのです。

禁煙の方法はいろいろあります。自分にあった方法を探して、ぜひ今日から禁煙を始めてみましょう。

Doll, R. et al: BMJ 328 (7455): 1519, 2004 [L20070918086]

禁煙のメリット

自分だけでなく周囲にも影響を与える喫煙

タバコに含まれる有害物質や発がん物質は、あなたの健康を奪うだけでなく、家族や友人、職場の同僚など、あなたの大切な人の健康も奪います。

自分の意思とは関係なくタバコの煙を吸い込んでしまう「受動喫煙」は、タバコを吸わない人を、がんや脳卒中、虚血性心疾患、呼吸器疾患などの危険にさらします。さらに、子どもにいたっては、胎児のときから健康被害を受けています。

喫煙の健康影響に関する検討会編:喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書 平成28年8月
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000172687.pdf 2022/7/6参照

タバコの害について

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ニコチン依存症チェック