チャンピックスの2つの効果

チャンピックスは禁煙治療のための禁煙補助薬です。

タバコを吸うと、脳にあるニコチン受容体という部分にニコチンが結合して、快感を生じさせる物質(ドパミン)を放出させます。

チャンピックスは、この受容体に結合することで、ニコチンの場合より少量のドパミンを放出させて、イライラなどのニコチン切れ症状を軽くします。

また、ニコチンが受容体に結合するのを邪魔して、禁煙中に一服してしまったときの“おいしい”といった満足感を感じにくくすることにより、禁煙を助ける薬です。

A ニコチン切れ症状を軽くする
B 禁煙中に一服してしまったとき、タバコをおいしいと感じにくくする

Rollema, H. et al.:Trends Pharmacol Sci 28(7):316, 2007[L20070717020]より作図
著者にファイザー株式会社の社員、同社の株式を保有している者、また同社から助成金を受領している者が含まれます。

禁煙治療は12週間が基本です

12週間の禁煙治療は、医師に相談なく中断しないことが大切です。自分の力だけで禁煙できると考えて治療を中断すると、医師のアドバイスや薬の処方が受けられなくなるため、禁煙は失敗しやすくなります。

下の図は、禁煙治療から9ヵ月後も禁煙を続けている人の割合を、治療を受けた回数別に示しています。

初回の治療を受けただけで中断した人では、禁煙を続けているのはわずか4.7%ですが、12週最後まで受診した人では47.2%で継続できていました。

禁煙治療を受けた回数と禁煙継続率との関係

禁煙治療を受けた回数と禁煙継続率との関係

対象:

ニコチン依存症患者1,308例(1,149施設の医療機関)

方法:

調査対象施設に自記式調査票を郵送配布し、郵送回収した(調査実施時期:平成29年7月12日~平成29年9月27日)。調査対象施設が、調査対象患者の治療終了から10~11ヵ月目となる平成29年7月~8月に、その時点での禁煙/喫煙状況を電話により調査し、その結果を調査票に記載する形式とした。

平成28年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(平成29年度調査)ニコチン依存症管理科による禁煙治療の効果等に関する調査報告書より改変

2022年7月作成 CHX47M001A