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喫煙対策の基礎知識喫煙室では防げない受動喫煙の害

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受動喫煙を完全防止するなら、喫煙室は不適切

受動喫煙から非喫煙者を守るために、どのような対策が考えられるでしょうか?まずは建物内に喫煙室を設置して対応する企業は多いでしょう。
喫煙室については、厚生労働省が「職場における喫煙対策のための新ガイドライン」(2003年)で一定の要件(図1)を示しているため、この要件を満たすよう努めているはずです。

図1「一定の要件」を満たす喫煙室※1でも防げない受動喫煙

「一定の要件」を満たす喫煙室でも防げない受動喫煙

厚生労働省労働基準局長通知 基発第0509001号(平成15年5月9日) 職場における喫煙対策のためのガイドラインについて[L20110418063]より作図

しかし、この要件を満たしていれば受動喫煙が完全に防げるかというと、残念ながらそうではありません。
タバコの煙が漏れない喫煙室を作ることは不可能です。その理由として、[1]退出する人の体の後ろにできる空気の渦に煙が巻き込まれること[2]ドアの開閉に伴い煙が押し出されること[3]吐く息に含まれるタバコの煙、などが挙げられます。
図2のような、換気扇3台を設置した「一定の要件を満たす喫煙室」の内外のPM2.5を測定したところ、廊下に大量に漏れていました(図3)。
受動喫煙を完全に防止するために、建物内を完全禁煙にすることを検討してください。

図2換気扇3台を設置した喫煙室の内部

換気扇3台を設置した喫煙室の内部

大和 浩:安全と健康 12(9):853, 2011[L20110914021]

図3喫煙室内外の微小粒子状物質の濃度

喫煙室内外の微小粒子状物質の濃度

大和 浩:安全と健康 12(9):853, 2011[L20110914021]より改変

喫煙室は、経済面でもデメリット

喫煙室は、設置費用だけでなく、その後も多額のランニングコストが必要で、企業の経済的な負担になります。
「一定の要件」に基づき、喫煙室の開口面(幅1m、高さ2m)で0.2m/秒の気流を生じさせるには、空調された空気を1時間に1,440m3も屋外に排出することになり、大量の電力が失われるからです。夏季の冷房、冬季の暖房、照明を考慮すると、喫煙室1つを維持するためには年間約11,000kWhが必要で、約25万円の経費がかかります
喫煙室を廃止して建物内の全面禁煙に移行すれば、節電になるだけでなく、清掃などの維持管理費も不要になり、スペースも有効に使えます。

※ 大和 浩:安全と健康 12(9):853, 2011[L20110914021]


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