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昭和電工株式会社 塩尻・大町事業所

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ガイドラインに準じた受動喫煙対策と徹底した個別禁煙指導で職場禁煙化をすすめている 昭和電工株式会社 塩尻・大町事業所 専属産業医 松澤 幸範 先生 会社概要

※男性喫煙率(塩尻・大町事業所合計)

男性が従業員の9割を占める昭和電工株式会社 塩尻・大町事業所では、産業医が中心となり、健康保持増進委員会メンバーとともに、受動喫煙対策の強化と個別禁煙指導に取り組んでいます。その結果、5年間で男性喫煙者数は約25%も減少し、男性従業員全体の喫煙率も10%以上低下しました。

取り組みのきっかけ

トップダウン方式による取り組み開始

松澤先生が産業医に就任した1998年当時はタバコを吸うことが当たり前の時代でした。受動喫煙対策といっても、仕切りのない喫煙コーナーや会議中のみの禁煙など不十分な対策しかとられていませんでした。2003年に健康増進法が施行されたのをきっかけに、本社に喫煙ルール・喫煙対策の策定を働きかけ、トップダウン方式による全社的な受動喫煙対策の取り組みが開始されました。

取り組み

衛生管理者と協力し、ガイドライン(2003)に準じて受動喫煙対策を強化

受動喫煙対策としては、開放型の喫煙コーナーを撤去、または壁やシートで仕切って換気扇を設置しました。会議室、応接室、役員室を完全禁煙にしました(受動喫煙対策施行率96%)。
その後も定期的に喫煙場所をパトロールし、喫煙ルールの遵守や換気状況の確認を行っています。

●産業医と衛星管理者によるパトロール

健診時の声かけや健診結果のコメントによる個別禁煙指導

松澤先生は、両事業所を中心に1,000人以上の定期健診を担当していますが、喫煙者には面談時に必ず禁煙を勧め、健診結果通知書にも赤字で目立つように禁煙を勧奨するコメントを記入しています(右図)。
また、呼吸器症状のある従業員には、肺機能検査を行い、肺年齢を算出します。喫煙者の中には、実際の年齢よりも「高齢」と診断される場合も多く、禁煙を考えるきっかけとなるようです。

●肺年齢算出(肺機能検査)

●喫煙場所の撤去・改善例

●健診結果書のコメント

取り組みによる成果

受動喫煙対策と個別禁煙指導の併用で喫煙率は年々低下

●男性喫煙率の推移

2003年に受動喫煙対策と継続的な個別禁煙指導を開始してから、男性喫煙率は年々低下し、5年間で約10%の大幅な減少を達成しました。また、縦断調査の結果でも、2003年当時の喫煙者のうち2008年の時点で禁煙している人の割合は20.7%(76人/368人)と非常に高いものでした。

●喫煙者(368人)の縦断調査結果

「産業医のすすめ」と「喫煙場所が減った」ことが禁煙をはじめる主なきっかけに

●禁煙動機アンケート結果(n=72、複数回答可)

禁煙の動機についてアンケートしたところ、「産業医のすすめ」、「喫煙場所が減った」が上位を占めており、受動喫煙対策と個別禁煙指導が禁煙の主なきっかけになったことがわかりました。
また、禁煙継続には、家庭や職場など、常に接している環境が喫煙しにくい状態であることが重要です。従業員の健康のために企業でも喫煙対策に取り組む必要があるでしょう。

職場禁煙化のポイント

継続的なアプローチが大切

●広報による禁煙啓発

職場禁煙化は産業医だけでは始められません。企業のトップから全社的に喫煙対策に取り組む流れを作ることが重要です。そのためには、健康増進法などをよりどころに、社会の禁煙化の流れやタバコの害を根気よく説明していくことが大切です。
松澤先生は、隔月に発行する『健康だより』や社員教育の場でも禁煙を啓発し続けています。「私たちが、さまざまな方法で禁煙を啓発し続け、従業員の禁煙に対する意識を高めることで、お孫さんの一言や家族のすすめなど、ちょっとしたきっかけで禁煙しやすくなると考えています。」(松澤先生)

身近な産業医だからできる禁煙サポート

松澤先生は、企業で行う禁煙治療のメリットは就業中のちょっとした時間でも受診できること、治療状況などをフォローしやすいこと、職場の中で成功した人がいると周りの人に勧めてくれるなどを挙げます。また、禁煙をより成功しやすくするために、2003年から健保組合と連携してニコチンパッチの費用補助制度を、2009年からは禁煙の保険診療をそれぞれ導入しました。特に、保険診療を開始してからは禁煙治療で受診する従業員が増えています。
「産業医の先生方には、タバコ対策に取り組むことは我々医師の使命と考え、その専門性を最大限に活かして、積極的に取り組んでいただきたいと思います。」(松澤先生)

松澤 幸範 先生


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