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古河電気工業株式会社 千葉事業所

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喫煙者も気遣った長期計画による就業時間内禁煙が進行中 古河電気工業株式会社 千葉事業所 統括産業医 加部 勇 先生 会社概要

※古河電工千葉事業所男性喫煙率

敷地面積約65万m2、24時間操業のこの広大な千葉事業所には、かつて関連、協力会社を含めると約200ヵ所の喫煙所があり、男性従業員の半数以上は喫煙者でした。そのような中、喫煙室の設置からはじまった喫煙対策も、今では就業時間内禁煙まで進み、男性喫煙率はなんと20%台まで低下。その秘密をご紹介します。

取り組みのきっかけ

1992年頃よりスタートした喫煙対策を、健康増進法施行を機に強化

当初、大阪の大島明先生、中村正和先生が開発した「スモークバスターズ禁煙プログラム」などを活用して禁煙支援を実施しており、1996年からは旧労働省策定の「職場における喫煙対策のガイドライン」を基に、受動喫煙防止も図ってきました。それでもなかなか下がらない男性喫煙率(53.4%)を何とかしたいと、2003年の上記ガイドラインの改訂と「健康増進法」施行を機に、喫煙対策を強化することにしました。

取り組み

敷地内禁煙の準備としての「喫煙対策3ヵ年計画」

喫煙対策の強化は、2003年の厚労省による上記ガイドライン改訂にそった喫煙室の設置、翌2004年の喫煙所削減(191ヵ所から100ヵ所に)から始まりました。そして2005年には、3年後の喫煙率を40%以下に低下させることを目標に、「喫煙対策3ヵ年計画」を策定し、喫煙所数の30%減やタバコの自動販売機の撤去など、段階的に対策を進めました。また、この3年間には、衛生管理室の産業保健スタッフを中心に、各職場での禁煙教室開催、喫煙対策に関する標語の募集など、熱心な啓発活動を展開しました。

●職場での禁煙教室

●「喫煙対策3ヵ年計画」(2005~2007年)の目的

5月31日の世界禁煙デーに24時間限定・事業所敷地内禁煙にチャレンジ

2007年5月31日の世界禁煙デーに、初めて事業所敷地内の24時間全面禁煙に挑戦しました。計画時には、敷地内禁煙は時期尚早との声も根強く残っていましたが、実施の半年ほど前からアナウンスし、周知しました。当日には従業員から募集した標語を容器に貼った飲料を配布し、関連・協力会社などすべての協力を得ることができました。あわせて、この日を禁煙開始日とする「禁煙キックオフ大会」を実施しました。以後、毎年同日に実施しています。

●世界禁煙デーの敷地内禁煙をアナウンスするのぼり

●配布用の飲料

2008年からの「5ヵ年計画」で現在は就業時間内禁煙

禁煙化の準備が整った2008年には、「生活習慣病予防5ヵ年計画」を策定し、「喫煙率25%以下」、「2010年1月からの就業時間内禁煙」を目標としました。就業時間内禁煙は段階的に導入し、まず、就業時間内の喫煙を午前、午後の2回以内に制限し、タバコの吸殻やパッケージなどは全て喫煙者自身が持ち帰る仕組み作りから始めました。翌2009年には事業所敷地内でのタバコの販売を中止。目標通り、2010年1月から休憩時間を除く就業時間内禁煙を開始し、現在も継続中です。社員からは、「だんだんタバコが吸いにくくなったので禁煙したが、会社がそのきっかけとなった」という声も聞かれました。

●就業時間内禁煙のポスター

取り組みによる成果

喫煙率は20%台に大幅減

2003年に喫煙対策の強化が始まる前の男性従業員の喫煙率は高く53.4%でした。しかし、その後の対策を反映して喫煙率は順調に低下、2005年策定の「喫煙対策3ヵ年計画」の目標である「喫煙率40%」も、2007年に喫煙率が37.5%となったことで達成されました。現在の男性喫煙率は29.8%にまで低下しており、次の目標「喫煙率25%以下」も射程圏内に入りました。

●男性喫煙率の推移と喫煙対策

1年3ヵ月の間に、約100人もの従業員が禁煙開始

禁煙啓発活動の際に禁煙のコツをアドバイスしたり、禁煙を希望する従業員には衛生管理室で行っている禁煙サポートを勧めたりしています。2010年4月の健康診断時に回収したアンケート調査により、前年からの1年3ヵ月間(2009年~2010年3月)に、約100人もの従業員が禁煙を始めたことが分かりました。

●禁煙治療を行っている衛生管理室 ●「就業時間内禁煙」ののぼり

職場禁煙化のポイント

啓発活動は非喫煙者も一緒に

禁煙教室といった啓発活動は、喫煙者だけでなく、非喫煙者にも参加してもらうことが大切です。そうすることで、非喫煙者にも正しい知識が伝わり、自分の問題として捉え、喫煙する同僚や家族に働きかけることもできます。また、喫煙者は自分たちだけが疎外されているような気持ちにもなりません。

各職場のリーダー達の協力を得る

喫煙対策は、安全衛生委員会で承認を得て、管理監督者の「率先垂範」を合言葉に、事業所全体で取り組みました。事業所の責任者である大山所長も自ら、卒煙教室で禁煙の大切さについて話をされました。また、各職場の安全衛生のリーダーを中心に、衛生活動(禁煙化など職場の健康づくり)に対し、日頃の安全活動と同様、熱心に取り組んでいることが成果を上げています。

禁煙希望者には十分なサポートを提供

タバコに関連する健康問題を啓発することで、禁煙を希望する従業員が増えても、専門的な支援を受けられないとうまく禁煙できないかもしれません。そのため、産業医による禁煙治療のほか、産業看護職のサポートを受けられる体制を整えました。また、外部の情報提供にも力を入れてきました。

十分な余裕をもって事前に周知

どんなに周到な禁煙化計画を立てても、喫煙者の反発によって頓挫しては意味がありません。そのため、喫煙者が実行しやすいような対策をとることを心がけてきました。急速な禁煙化ではなく、段階的な導入。そして、一番のポイントは、周知の時期に十分な余裕をもたせて心の準備をしてもらうことです。制限するだけでなく、喫煙者の身になって進めてきたことに、禁煙化成功の秘訣がありそうです。

●卒煙教室

●喫煙対策に関わってきた事業所の方々


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