タバコによる害

タバコはさまざまな病気の原因にCOPD

COPD ― 主な原因はタバコの煙です

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、以前は慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれていた病気のことです。COPDになると、坂道や階段の昇り降りで息切れをしたり、咳やたんなどの症状があらわれます。COPDの主な原因はタバコだといわれており、煙に含まれる有害物質を長期にわたって肺に取り込むことで、肺が炎症を起こすと考えられています1)
COPDは重症化すると自宅での酸素吸入が必要となり、呼吸不全になって死に至ることもあります。COPDによる死亡リスクは、タバコを吸わない人を1とすると、1日1〜14本吸う人で約23倍となり、1日の喫煙本数が多いほどリスクは高まるといわれています2)

喫煙がCOPDによる死亡リスクに及ぼす影響(海外データ)

喫煙がCOPDによる死亡リスクに及ぼす影響(海外データ)の図
対象:
米国人女性10万4,519例(30~55歳)
方法:
1980年~2004年まで追跡調査し、喫煙および禁煙と死亡率の関連についてコホート調査を行った。
ハザード比はCox比例ハザードモデルにより算出した。なお、年齢(月)、追跡調査期間、高血圧の既往歴、糖尿病、コレステロール値、BMI、18歳時からベースライン時点(1980年)までの体重変化、飲酒量、身体活動度、過去の経口避妊薬の使用経験、閉経の有無、閉経後女性ホルモン補充療法の経験、親の60歳未満における心筋梗塞の既発作歴、タバコを吸い始めた年齢により調整した。
Kenfield, S. A. et al.:JAMA 299(17):2037, 2008 より作図

タバコを吸う人で、「最近、息切れをすることが多くなった」など、気になる症状があれば早めに医師に相談しましょう。

気管支ぜんそく--タバコは発症・悪化の要因になります

気管支喘息は、気管支に炎症が起きて空気の通り道が狭くなってしまい、発作的に呼吸困難になる病気です。タバコは気管支ぜんそくの発症要因でもあり、悪化させる要因でもあります1)。喘息のある人がタバコを吸うと、タバコを吸わない人に比べて、より呼吸機能が低下することがわかっています3)。また、喘息治療薬の効果も弱まってしまうことも報告されています4)
しかし、禁煙すれば、タバコを吸い続ける人に比べて呼吸機能は回復するといわれています5)。喘息は放っておくと生命の危険もあり得る病気です。喘息のある人は、ぜひ禁煙にトライしてみましょう。

1) 喫煙の健康影響に関する検討会編:喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書
平成28年8月
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000172687.pdf 2022/7/6参照
2) Kenfield, S. A. et al. : JAMA 299 (17) : 2037, 2008
3)James, A. L. et al. : Am J Respir Crit Care Med 171(2) : 109, 2005
4) Chalmers, G. W. et al. : Thorax 57(3) : 226, 2002
5) Chaudhuri, R. et al. : Am J Respir Crit Care Med 174(2) : 127, 2006